医世界で学ぶ微生物

臨床検査技師が感染症を勉強するブログ

【感染型と毒素型】食中毒の原因微生物③

こんにちは!

今回は、細菌性食中毒について勉強したいと思います。

前回のウイルス性食中毒同様、試験の過去問題をベースにやっていきたいと思います。

使うのは認定試験問題です。

では、どんな問題か見ていきましょう!

 

目次

  

認定試験

2014年 認定臨床微生物検査技師 試験問題

 

問題 2 食中毒の原因微生物で潜伏期が短い(数時間)のはどれか。2 つ選べ。
a Bacillus cereus
b Campylobacter jejuni
c Salmonella Enteritidis
d Shigella sonnei
e Staphylococcus aureus

 

引用:一般社団法人日本臨床微生物学会HP 認定臨床微生物検査技師制度

 

潜伏期間に関する知識を問う問題です。 

これはつまり、その食中毒が毒素型なのか感染型なのかわかりますか?という問題です。

潜伏期間は比較的毒素型の方が短いというのは、最初のまとめ↓でやりましたね。

 

www.sawasan.xyz

毒素型は何かと聞くと直接的なので、潜伏期間の短いものは何かという言い回しになったのでしょうか。

こういう表現を少し変えて問題にするというのは、認定試験に限らず、センター試験だとかクイズだとか様々な問題作成で見られることかと思います。

先に言うと答えは、aとeです。

では、それぞれの選択肢の細菌について、a→eの順に見ていきましょう。

 

Bacillus cereus

セレウス菌です。特徴は以下の通り、

  • グラム陽性桿菌
  • 芽胞形成(+)
  • 周毛性の鞭毛を持ち運動性あり
  • ヒツジ血液寒天培地でβ溶血コロニー
  • 卵黄反応(+)
  • βラクタマーゼ産生(+)

環境に広く存在する菌であり、一般的に病原性は低いとされるセレウス菌ですが、まれに毒素型食中毒を起こします。

産生毒素は2種類。

  1. 嘔吐毒(セレウリド)
  2. 下痢原生毒素(エンテロトキシン)

嘔吐毒は、汚染された食品で産生される耐熱性の毒素であり、これを接種することで食中毒を起こします。

潜伏期間は、1~6時間

一方、セレウス菌の下痢原生毒素は、汚染食品のセレウス菌が経口摂取された後、腸管内で増殖する際に産生する易熱性の毒素です。

その特徴から感染毒素型食中毒と呼ばれます。

潜伏期間は、6~24時間

 

Campylobacter jejuni

細菌性食中毒の代表、カンピロバクターです。

  • 人獣共通感染症
  • 微好気性グラム陰性らせん菌
  • オキシダーゼ(+)
  • カタラーゼ(+)
  • 馬尿酸分解(+)
  • 42℃発育(+)
  • 25℃発育(-)

カンピロバクターは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの加熱不十分な肉の摂取による経口感染で感染型食中毒を起こします。

8~48時間の潜伏期間の後、細胞付着因子や細胞致死性膨張性毒素、エンテロトキシンなどの病原因子により、食中毒を起こします。

食中毒と関連はありませんが、C. jejuniの感染に続発してギランバレー症候群が起こることを知っておきましょう。

ギランバレー症候群は四肢の筋力低下をきたす自己免疫疾患です。

C. jejuniは神経のガングリオシドと共通抗原があり、自己免疫が誘導されてしまうそうです。

 

Salmonella Enteritidis

正式な名前は、Salmonella enterica subsp. enterica serovar Enteritidisです。

  • 腸内細菌科細菌
  • 通性嫌気性グラム陰性桿菌
  • 乳糖・白糖分解(-)
  • 硫化水素(+)
  • ガス(+)
  • シモンズクエン酸培地(+)
  • SalmonellaのO9群

サルモネラは、ウシ、ブタ、ニワトリなどの肉や鶏卵の摂取による経口感染で感染型食中毒を起こします。

また、カメやヘビなどの爬虫類との接触感染も起こします。

潜伏期間は6~24時間です。

 

Shigella sonnei

Shigellaは三類感染症の細菌性赤痢の原因菌です。

その中でS. sonneiは、最も分離頻度が高い菌です(70%程度)。

  • 腸内細菌科細菌
  • 通性嫌気性菌グラム陰性桿菌
  • 鞭毛なし(運動性なし)
  • 乳糖・白糖遅分解
  • 硫化水素(-)
  • ガス(-)
  • シモンズクエン酸培地(ー)
  • ShigellaのD群

ヒトなどの霊長類に感染する。

ヒトーヒト感染や、汚染された食品や水などの経口摂取による感染型食中毒を起こす。

胃酸抵抗性を示し、腸管へ到達するので感染力は非常に強く10~100個程度で感染が成立する。

潜伏期間は1日~4日

S. sonneiは比較的軽症で経過する。

比較的重症化するのは、A群のS. dysenteriaeの血清型1型。

しぶり腹を伴いながら粘血便が出現する。

 

Staphylococcus aureus

黄色ブドウ球菌です。

腸管毒素(エンテロトキシン)による毒素型食中毒を起こします。 

このエンテロトキシンは耐熱性で、100℃30分の加熱に耐えます。

普通の料理じゃ食材を100℃30分も加熱しませんよね。

菌が繁殖して毒素が産生された食材を食べると、食中毒を発症してしまいます。

潜伏期間は1~6時間

ほぼ1~2日で軽快します。

 

終わりに

どうだったでしょうか?

勉強内容とは関係ありませんが、記事がやっと10を超え少しずつ見やすさにも意識がいくようになってきました。

読みやすくするために、目次のやり方を調べて過去の記事とこれからの記事にはつけていきたいと思います。

では、お疲れさまでした!

 

5/30追記:目次設定しましたー!調べたら簡単でした!