こんにちは!
最近、朝活を始めました。
とはいえまだ始めてたばかりで、6~7時を読書やストレッチなどでゆっくり過ごしています。
いずれは5時に起きて早朝ランニングすることを習慣にしたいと思っています。
先日は休みの日に近所の小さな山に登ってきました。
活動的な朝を過ごすと、そのまま一日が充実します。
一回朝活から始まる充実した一日を過ごすと、きっとその後も続けてみたくなりますよ。
さて、今回は認定試験の過去問を元に稀な菌を勉強したいと思います。
目次
微生物認定試験過去問
問題
引用:臨床微生物学会HP 認定臨床微生物検査技師試験2014年度試験問題
試験の傾向
認定試験ではこの問題の様に、
①問題文から微生物を推定
②推定した微生物について適切な選択肢を選ぶ
と二段構えの問題が出てくる傾向があります。
本問題は、稀な微生物を推定して、その感染症の治療薬を選択するといったものなので難易度高めですよね。
稀な微生物を知らなければアウトですし、知っていても治療について知らなければ解けない。
まぁ全問正解しなければいけないわけではないので、こういった問題が出てきてもし分からなくても大丈夫です!
試験においては他の問題を解くことに集中しましょう!
解けない悔しい思いは特に記憶に残りますので、試験が終わってからちゃんと調べて学べばそれでいいんじゃないかなと思います。
解説
さて、問題を解いていきましょう!
問題文からの情報は、
といった感じでしょうか。
この中で一番強烈なのは3番目ですよね。
グラム染色ではっきりしない、そんな微生物を思い浮かべれば良いということになります。
まず、血液寒天培地にコロニーがありますので、ウイルスではありませんよね。
ウイルスではないので次に、グラム染色で見れない細菌を考えます。
ここで真っ先に思い浮かぶのは抗酸菌ではないでしょうか。
確かに、例えばMycobacterium abscessus complex のように迅速発育抗酸菌は血液寒天培地に発育するものもいます。
しかし抗酸菌は、グラム染色で抜けたように見えますので合っていません。
では、他にグラム染色で良く分からない細菌とは何か。
それは、小さすぎて光学顕微鏡で観察することのできない細菌、マイコプラズマです。
マイコプラズマといえば、Mycoplasma pneumoniaeですよね。
ただし、この細菌は血液寒天培地には発育せず、専用のPPLO培地が必要です。
じゃあこれも違うか、と思ってしまいますがそうではありません。
マイコプラズマ属には、Mycoplasma hominisという血液寒天培地に発育する細菌がいるんです。
この細菌は生殖器に存在し、例えば問題の様な例で腹膜炎を起こしたり、女性では細菌性膣炎、男性では不妊の原因となり、さらには新生児髄膜炎の起炎菌としての報告なんかもあります。
ということで、まずはこのM. hominisを推定しなければいけないわけです。
となれば次は、選択肢のM. hominisの治療薬がどれかを考えましょう。
まず、マイコプラズマ属は細胞壁がありませんので、細胞壁合成阻害薬であるβラクタム薬は使えません。
また、マイコプラズマ属の代表であるM. pneumoniaeは、第一選択薬はマクロライド系のエリスロマイシンやクラリスロマイシンです。
他に、テトラサイクリン系やニューキノロン系の薬剤も使われます。
ということは、これを参考に「cのクラリスロマイシンとdのミノサイクリンだな。」としたくなりますが、そうじゃないんですよ。
実は、M. hominisはクラリスロマイシン耐性なんです。
一番有名なM. pneumoniaeの第一選択薬が同じマイコプラズマ属であるM. hominisは耐性なんですねー。
「あまり見ない菌だけどマイコプラズマだからとりあえずクラリスロマイシンで」みたいな感じで処方されると、治療失敗してしまうわけです。
回答
ということで、問題に出てくる微生物はM. hominisであり、答えはd ミノサイクリンとe クリンダマイシンでしたー。
うーん。難しい問題でしたね。
でも、もしこれを機にいつかM. hominisに出会ったときは、菌の推定とともに「マイコプラズマだけどクラリスロマイシンは耐性」だというところまで臨床に提供できたらかっこいいかもしれませんね。
何より患者さんのために知識はいくらでも身に着けておいた方がいいので、これからも僕自身まだまだ勉強を続けていきたいと思います。
最後に
はい、認定試験でしたー。
丁寧に解説してみたら長くなってしまいました。
いつもは菌のまとめをしてから認定試験をしていましたが、普段と順番が逆で次回にM. hominisについて詳しくやりたいと思います。
では、お疲れさまでした!