SAWASAN-BLOG

臨床検査技師の「知識整理」と「気まま雑記」ブログ

骨髄バンクに登録したお話

こんにちは!

先日、骨髄バンクに登録してきました。

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僕は今、コロナPCRなど感染症の検査である微生物検査を担当していますが、以前は白血病など血液疾患を調べる血液検査や、血液型を調べたり輸血製剤が患者に適合するかを確認したりする輸血検査を担当していました。

ですので、以前から骨髄バンク登録には興味があったのですが、行動には踏み切れないまま過ごしてきました。

その理由は、ドナーとなった場合に自分が受けるリスクが怖かったからです。

ですが今回登録に踏み切ることができましたので、その体験を記事にしたいと思います。

 

目次

 

骨髄バンク登録のきっかけ

 登録のきっかけはですね、白血病の子供を持つ親御さんが骨髄バンク登録を呼びかけるツイートを見たからです。

見た瞬間ここで登録しなきゃ絶対に後悔すると感じました。

僕も一応医療人ですので、白血病などの血液疾患患者にとって骨髄移植が大きな希望であることは知っていました。

本人やその家族は文字通り命がけでドナーを探すはずです。

ただずっと登録しようかと思いつつも、ドナーとなった時の全身麻酔や後遺症などが怖くて踏み切れませんでした。

ですが今回、そのツイートにあと一歩を踏み出す勇気を頂きました。

するかしないかはっきり決定もできないまま流しながら過ごしてきたことが解消できたので、とても感謝しています。

 

登録するとどうなるか

骨髄バンクに登録するとは

骨髄バンクの正式名称は「公益財団法人 日本骨髄バンク」です。

法律に基づいた骨髄・末梢血幹細胞の提供を行っています。

ここに登録することで、移植のために骨髄を提供する意思表示ができます。

登録方法等は後述しますね。

登録時には一本採血をして、白血球の型であるHLAを調べておきます。

もし、その後自分のHLA型と合う骨髄移植希望の患者さんが現れると骨髄バンクから連絡が来るようになります。

 

www.jmdp.or.jp

 

適合する確率は兄弟姉妹で4分の1、血のつながらない他人だと数百~数万分の1だと言われています。 

移植を希望する患者さんのためには一人でも多くの方のドナー登録が必要な現状があります。

 

登録から提供への流れ 

では、次にドナーに選ばれた場合どうなるのか。

骨髄バンク登録後、実際に提供するまでの流れを見てみましょう!

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引用:日本骨髄バンクHP「ドナーのためのハンドブック」

https://www.jmdp.or.jp/documents/file/02_donation/donorhandbook202006.pdf

 ざっくりと、

  1. 通知が来る
  2. 確認検査をする
  3. 最終同意をする
  4. 健康診断をする
  5. 注射や採血など準備をする
  6. 入院する
  7. 骨髄または末梢血幹細胞を採取する
  8. 退院する

こんな流れなわけですね!

最終同意をするまでは、提供の意思を撤回することができます。

最終同意の後は患者さんが骨髄移植を受ける準備に入るため、提供意思を撤回することはできません。

 

ドナーのリスク

ドナーのリスクにおいて一番気になるのは死ぬことがないかですよね。

2021年7月22日現在、日本の骨髄バンクにおいてドナーの死亡事例はありません。

一安心です。

では死亡以外にどういったことリスクがあるのか。

まずは、骨髄の採取方法と採取後の痛み等についてです。

採取方法は、骨髄採取または末梢血幹細胞採取の2種類です。

 

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引用:骨髄バンクドナー登録のしおり「チャンス」

https://www.jmdp.or.jp/reg/chance/chance_web.pdf

 

そして採取後については 次の様に言われています。

 

大半の人は1~7日程度鈍い痛みが続いたと言います。まれに、1カ月以上痛む例もあります。微熱やのどの痛み、吐き気、全身のだるさが出ることもありますが、ほとんどの場合1~2日で軽快します。

引用:正しく知ろう!骨髄を提供する「ドナー」になるために | 済生会 

 

何度も腸骨に針を刺されるわけですからそりゃ痛みもありますよね。

ただ意外にもほとんどの場合数日もあれば軽快するようです。

 それ以外のリスクや過去事例についてはパンフレットに掲載されています。

 

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引用:骨髄バンクドナー登録のしおり「チャンス」

https://www.jmdp.or.jp/reg/chance/chance_web.pdf

 

どうでしょうか。

こう見るとやっぱり不安にもなりますよね。

でも自分が追うこれだけのリスクで、一人の命が救えるかもしれない

思えば僕は登録をしたいと思いました。

あとはリスクではありませんが、デメリットとして休みを取らなければいけないことがありますね。

回復期間や念のためを考えて少なくとも一週間程度は必要なのではないかと思います。

 

登録の仕方

登録条件

登録するには下記の条件を満たす必要があります。

・骨髄・末梢血幹細胞の提供の内容を十分に理解している方
・年齢が18歳以上、54歳以下で健康状態が良好な方
・体重が男性45kg以上/女性40kg以上の方

引用:日本骨髄バンク | ドナー登録について - ドナー登録できる方の条件

 

パンフレットを読み、登録申請書を書く

献血ルーム等に直接行ってパンフレットを読み、登録申請書を書くこともできますが、事前に家で済ませておくことができます。

きちんと理解した上で登録を決意するかどうか考えられる時間が得られる点で、ネットから事前にパンフレットと申請書をダウンロードすることをお勧めします。

下記サイトから行うことができます。

www.jmdp.or.jp

 

献血ルームへ行く

登録申請書を書いたら、各県の骨髄バンク登録受付窓口に持って行きます。

(登録書で直接申請書を書くこともできます。)

登録受付窓口は以下のリンク先に載っています。

 

www.jmdp.or.jp

 

窓口は主に献血ルームですが他に保健所等でも登録することができます。

ただし、 保健所は予約が必要な場合がありますのでご注意下さい。

僕は献血ルームに行きました。

そこでの流れは、

  1. 受付で申請書を提出する
  2. 医師の問診を受ける
  3. 2mL採血(1本)をする

これだけです。

待ち時間がありましたので、僕は1時間ほどかかりました。

骨髄バンクの登録と同時に献血することもできるのですが、その日は呼び出し待機の電話持ちでしたので献血はしませんでした。

待っている間は無料提供のドリンクを飲み、終わってからはこれまた無料提供のハーゲンダッツを頂きました美味しかったです! 

最後に冒頭の写真にある登録カードを貰って無事登録完了となりました。

 

ドナーの体験は

骨髄バンクに登録はしたものの、僕はまだドナーになったわけではありませんので、実際にドナーを体験された方のブログを紹介しておきます。

linough.com

 

最後に

はい、骨髄バンク登録のお話でした。

リスクがありますので、積極的に人に骨髄バンク登録を勧めることはなかなか難しいですが、同じように登録する意思のある方々の参考になればと思い記事を書きました。

自分自身は登録したことに非常に満足しています。

いつか誰かの希望や力となれることを毎日願っています。

 

では、またー!