こんにちは!
先日、冷たい肉そばを食べました。
暑い日が続く中、冷たい麺は食べやすくていいですね。
さて、最近COVID-19を指定感染症から外すかどうかが議論されていますので、今日は感染症法について勉強したいと思います。
感染症法の分類は数が多く覚えるのが大変です。
しかし、感染症法については国試、二級資格試験、認定試験の全てで問われますので頑張ってやっていきましょう!
目次
感染症法とは
感染症法の正式名称は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」です。
長いですね。
それまでの「伝染病予防法」、「性病予防法」、「エイズ予防法」の3つが統合され、1999年4月1日に施行されました。
その後、2007年4月1日に「結核予防法」も統合される、分類の再編や感染症の追加など度々改正されています。
なるほど、法律自体も比較的新しいですし、改正も行われるのであればその理解があるか問題になりやすいのも納得ですね。
勿論、この法律全てを読み込む必要はありません。
試験にあたって覚えるポイントは以下の二つです。
- 感染症の分類
- 病原体の分類
国家試験レベルであれば、恐らく感染症の分類、それも一類から三類までを覚えればいけると思います。
しかし、二級資格試験や認定試験だと、感染症分類の一類から五類まで全て、そしてそれら感染症の届出が、
- 全数報告なのか
- 定点報告なのか
また、届け出は
- 直ちになのか
- 7日以内なのか
- 月に一度なのか
など実践的な所についても勉強しなければいけません。
さらにはそれら感染症を引き起こす病原体の分類を一種から四種までも知っておく必要があります。
嫌になりますね(笑)
でも、資格を取って専門家になるということは、その職域に精通するということですので、前向きに覚えていきましょう!
感染症法における感染症の分類
以下に感染症法の分類を引用します。
一類から四類感染症は直ちに全数報告が必要です。
分類 定義 感染症名 一類感染症 感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱 二類感染症 感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく 総合的な観点からみた危険性が高い感染症 急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)、鳥インフルエンザ(H5N1)、鳥インフルエンザ(H7N9) 三類感染症 感染力や罹患した場合の重篤性などに基づく 総合的な観点からみた危険性は高くないものの、特定の職業に就業することにより感染症の集団発生を起こしうる感染症 コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス 四類感染症 人から人への感染はほとんどないが、動物、飲食物などの物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症 E型肝炎、ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む)、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱、オウム病、オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林病、Q熱、狂犬病、コクシジオイデス症、サル痘、ジカウイルス感染症、重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)、腎症候性出血熱、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、炭疽、チクングニア熱、つつが虫病、デング熱、東部ウマ脳炎、鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1及びH7N9H5N1)を除く)、ニパウイルス感染症、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、鼻疽、ブルセラ病、ベネズエラウマ脳炎、ヘンドラウイルス感染症、発しんチフス、ボツリヌス症、マラリア、野兎病、ライム病、リッサウイルス、リフトバレー熱、類鼻疽、レジオネラ症、レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱 五類感染症 国が感染症発生動向調査を行い、その結果に基づき必要な情報を国民や医療関係者などに提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症 アメーバ赤痢、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症、急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)、クリプトスポリジウム症、クロイツフェルト・ヤコブ病、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、後天性免疫不全症候群、ジアルジア症、侵襲性インフルエンザ菌感染症、侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症、水痘(入院例に限る)、先天性風しん症候群、梅毒、播種性クリプトコックス症、破傷風、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染、百日咳、風しん、麻しん、薬剤耐性アシネトバクター感染症、RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、クラミジア肺炎(オウム病を除く)、細菌性髄膜炎(侵襲性インフルエンザ菌感染症、侵襲性髄膜炎菌感染症及び侵襲性肺炎球菌感染症を除く)、マイコプラズマ肺炎、無菌性髄膜炎、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症 新型インフルエンザ等感染症 新型インフルエンザ:新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体と するインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められているものをいう。
再興型インフルエンザ:かつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めるものが再興したものであって、一般に現在の国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。指定感染症 一~三類および新型インフルエンザ等感染症に分類されない既知の感染症の中で、一~三類に準じた対応の必要が生じた感染症(政令で指定、1年限定) 新感染症 人から人に伝播すると認められる感染症で、既知の感染症と症状などが明らかに異なり、その伝播力および罹患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症 〔当初〕
都道府県知事が、厚生労働大臣の技術的指導・助言を得て、個別に応急対応する
〔政令指定後〕
政令で症状などの要件した後に一類感染症に準じた対応を行う
※9/13追記
スマホだと表が切れてしまって見れないようです。
厚労省のリンクを張っておきますのでご覧ください。
これを「はい、覚えて」と言われても厳しいですよね。
一つ一つの感染症に触れていたら終わりが見えなくなりますので、覚えるためのざっくりとしたイメージを書いていきます。
一類感染症
一類に分類されるのは、致死率の高い疾患7種です。
エボラ出血熱においては、1976年のザイール北部の流行で88%(318名中280名)の致死率が報告されています。
二類感染症
二類に分類されるのは、危険性の高い疾患7種です。
鳥インフルエンザウイルスのうち二類に分類されるのはH5N1とH7N9の二種類です。
それ以外は四類感染症に含まれます。
三類感染症
三類に分類されるのは、下痢疾患5種です。
四類感染症
四類に分類されるのは、動物や蚊、物などを媒介して感染する疾患です。
四類は細かいですが、ヒトヒト感染はほとんどなく、別な媒介物があることがポイントです。
五類感染症
五類に分類されるのは、比較的日常生活の中で感染しうる身近な疾患です。
ただし、クロイツフェルト・ヤコブ病などそうではないものもあります。
日常生活ではあまり見ないものは例外として覚えるしかなさそうです。
五類に分類される疾患はその届出様式が異なります。
5類(全数届出) (1)アメーバ赤痢 (2)ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く) (3)カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 (4)急性弛緩性麻痺(急性灰白髄炎を除く。) (5)急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く。) (6)クリプトスポリジウム症 (7)クロイツフェルト・ヤコブ病 (8)劇症型溶血性レンサ球菌感染症 (9)後天性免疫不全症候群 (10)ジアルジア症 (11)侵襲性インフルエンザ菌感染症 (12)侵襲性髄膜炎菌感染症 (13)侵襲性肺炎球菌感染症 (14)水痘(患者が入院を要すると認められるものに限る) (15)先天性風しん症候群 (16)梅毒 (17)播種性クリプトコックス症 (18)破傷風 (19)バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (20)バンコマイシン耐性腸球菌感染症 (21)百日咳 (22)風しん (23)麻しん (24)薬剤耐性アシネトバクター感染症
5類(定点医療機関のみ届出) (25)RSウイルス感染症 (26)咽頭結膜熱 (27)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 (28)感染性胃腸炎 (29)水痘 (30)手足口病 (31)伝染性紅斑 (32)突発性発しん (33)ヘルパンギーナ (34)流行性耳下腺炎 (35)インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。) (36)急性出血性結膜炎 (37)流行性角結膜炎 (38)性器クラミジア感染症 (39)性器ヘルペスウイルス感染症 (40)尖圭コンジローマ (41)淋菌感染症
5類(基幹定点医療機関のみ届出) (42)感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスであるものに限る。) (43)クラミジア肺炎(オウム病を除く) (44)細菌性髄膜炎(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌を原因として同定された場合を除く。) (46)マイコプラズマ肺炎 (47)無菌性髄膜炎 (45)ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 (48)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (49)薬剤耐性緑膿菌感染症
上記のように五類感染症には、全数届出の疾患と、定点医療機関や基幹定点医療機関のみが届出をする疾患があります。
定点医療機関は4種類あります。
- 小児科定点:小児科医療機関から指定(約3000ヶ所)
- インフルエンザ定点:小児科定点に加え、内科医療機関から指定(約5000ヶ所)
- 眼科定点:眼科医療機関から指定(約700ヶ所)
- 性感染症定点:産科、婦人科、産婦人科、性病科、泌尿器科、皮膚 科医療機関から指定(約1000ヶ所)
そして、基幹定点医療機関とは
- 基幹定点医療機関:内科及び外科の診療科を持つ300床以上の病院を、2次医療圏毎に1ヶ所以上指定(約500ヶ所)
となっています。
さらに、五類感染症全数報告のうち
また、定点医療機関届出のうち
- 小児科定点、インフルエンザ定点、眼科定点は週に一度の届出
- 性感染症定点は月に一度の届出
最後に、基幹医療機関届出のうち
と、なっています。
終わりに
いやー長い。
記事は一日ではなく、じわじわ複数日かけて書いてるので冒頭の肉そば食べた事なんてすっかり忘れてました(笑)
本当は感染症の分類に加えて病原体の分類までを一つの記事にしようと思ってたんですが、次回にしたいと思います。
では、お疲れ様でした!