医世界で学ぶ微生物

臨床検査技師が感染症を勉強するブログ

【二級資格試験】β溶連菌④

こんにちは!

先週日曜日に近くの小さい山に登って、みはらしの良い所でわらび餅を食べてきました。

もう7月半ばですが、山道でアジサイがきれいに咲いていました。

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アジサイの色は土の酸性度と関連しています。

酸性であれば土中にアルミニウムが溶け出さずに残っており、これを根から吸い上げるとアントシアニンと結合して青色の花が咲くそうです。

中性~アルカリ性だとピンク色の花となるみたいですね。

雨粒のついたアジサイはとてもきれいで心が癒されました。

 

はい、では今回は二級資格試験をやりましょう!

 

目次

※便宜上、問題の選択肢を小見出しとしています。

  問題の選択肢ですので正しいとは限りませんご注意ください。

 

二級資格試験 誤っているのはどれか

平成24年(2012年)第99回二級臨床検査士資格認定試験

25. Streptococcus属について誤っているのはどれか。

  1. S. mutansは齲歯の原因菌である。
  2. S. pyogenesの溶血毒は、酸素に不安定である。
  3. S. bovisはランスフィールド分類のC群抗原を有する。
  4. S. agalactiaeはランスフィールド分類のB群抗原を有する。
  5. S. agalactiaeによる新生児や乳幼児の重症感染症は、早発型と遅発型に分類される。

 引用:高木康、他(2013)『検査と技術 Vol.41 no.4』医学書院(319)

 α溶血性レンサ球菌も含めたStreptococcus属に関する問題となっています。

 答えは3です。

 

1.S. mutansは齲歯の原因菌である。

 正しいです。

ミュータンス連鎖球菌は、通性嫌気性のグラム陽性細菌で連鎖球菌の一種です。名前の由来は、変異しやすいということでミュータントの意味を含めて作られたという説があります。ムタンという多糖体を作ることから由来しているという説もあります。多くの哺乳類の口腔内に存在し、ヒトではStreptococcus mutansStreptococcus sobrinusがあります。う蝕(虫歯)の原因菌のひとつです。

 引用:日本細菌学会HP ようこそ細菌の不思議な世界へ

虫歯嫌ですね。 

 

2.S. pyogenesの溶血毒は、酸素に不安定である。

え、どっちでしょう正直わかりませんが、回答的に正しいのでしょうね。

S. pyogenes の溶血毒はストレプリジンです。

ストレプトリジンは2種類あります。

  • 酸素に感性のストレプトリジンO
  • 酸素に抵抗性のストレプトリジンS

これらは血液寒天培地での溶血性と関係があり、診断においては抗ストレプトリジンOの測定が用いられます。

問題の溶血毒がストレプトリジンOのことを言っているのであれば正しいですが、ストレプトリジンSのことを言っているのでは誤っているような??

S. pyogenesの病原因子は以下の4つを覚えればOKです。

  • ストレプトリジン
  • ストレプトキナーゼ:フィブリンの溶解
  • 発赤毒(Dick毒素):猩紅熱の原因
  • DNase:DNA分解酵素

 

3.S. bovisはランスフィールド分類のC群抗原を有する。

誤っています。

S. bovisEnterococcus属と同じランスフィールド分類D群です。

  • D群の特徴は胆汁・エスクリ加水分解陽性
  • S. bovisは大腸癌患者の腸内に有意に増殖する

上記二点を抑えておきましょう。

文献を引用しておきます。

Streptococcus bovis(S.bovis)は腸内細菌の一種で,健常人の腸内細菌叢に10%程度存在するといわれている1,2).
また,S.bovis による感染性心内膜炎あるいは菌血症を呈した患者群においては一般集団と比較して高率に大腸癌などの大腸病変の合併が報告されており,血液培養で同菌を検出した場合には大腸病変を検索することが推奨されている1-9)

 

引用:「Streptococcus bovis による感染性心内膜炎を契機に早期大腸癌が発見された1例」Vol. 3 No. 3 2009 J Cardiol Jpn Ed 267

 

4.S. agalactiaeはランスフィールド分類のB群抗原を有する。

 正しいです。

 S. agalactiaeといえば、

  • ランスフィールド分類B群
  • CAMP試験(+)
  • 馬尿酸加水分解試験(+)

です。

 

5.S. agalactiaeによる新生児や乳幼児の重症感染症は、早発型と遅発型に分類される。

正しいです。

 S. agalactiaeは新生児の髄膜炎や敗血症などの重症感染症を引き起こします。

新生児GBS感染症は分娩時の垂直感染によって引き起こされる。日齢7日以前の早発型(約80%)と、日齢8以降の遅発型(約20%)に分類される。

早発型(Early onset disease)
出生直後から呼吸障害が発症し、6~12時間で敗血症に至る。
時に、髄膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎を起こすこともある。

遅発型(Late onset disease)
生後1週間から3か月で髄膜炎の臨床像で発症する。

GBS保菌妊婦からは出生した児からは、高率にGBSが分離されるが(40~73%)、そのうちGBS感染症を発症するのは1%前後である。発症率は低いが、ひとたび発症すれば急速に重篤化し、死亡や後遺症に至ることも少なくないため、発症前の予防が肝要である。

 

引用:はなおかレディースクリニックHP GBS(B群溶血性連鎖球菌)

発症確率は低いですが、発症すれば特に早発型で予後が悪いようです。

適応対象の母には予防のため分娩時までペニシリンGが投与されます。

 

また、髄膜炎に関しては年齢毎に主要原因菌が異なりますのでまとめておきましょう。

これも試験に出やすいところかと思います。

病原体(原因菌)は多種類あるが、年齢や基礎疾患によって次のように特徴がある。


新生児〜生後3カ月乳児:B群レンサ球菌、大腸菌黄色ブドウ球菌リステリア菌
生後3 カ月以降の乳児〜幼児インフルエンザ菌(ほとんどがHib )、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌
年長児〜青年期:肺炎球菌、インフルエンザ菌髄膜炎
成人:肺炎球菌、髄膜炎
高齢者(50 歳以上):肺炎球菌、グラム陰性桿菌、リステリア菌

 

引用:NIID国立感染症研究所HP 細菌性髄膜炎とは

髄膜炎といえば単純に名前から髄膜炎菌が出てきますが、新生児や高齢者においてはその代表菌ではないんですね。

認定試験などでは新生児髄膜炎の起炎菌としてもう一つ、Erizabethkingia meningosepticaを知っておくといいかもしれません。

 

終わりに

はい、レンサ球菌でしたー。

書くこと思いつかないのでこれでおしまいです!

では、お疲れさまでした!