こんにちはー!
ずっと宇宙を旅するメルヘンな内容だとばかり思っていたのですが、なかなかシリアスなお話でした。
主人公である少年ジョバンニが旅する銀河鉄道とはどこへ向かう列車なのか。
お時間ありましたら、ぜひ読んでみてください。
では、今日はβ溶血性連鎖球菌についてやりましょう!
β溶血性レンサ球菌はStreptococcus属です。
目次
Streptococcus属の特徴
Streptococcus属はグラム陽性のレンサ球菌です。
その特徴は、
- 通性嫌気性菌
- 運動性(-)
- カタラーゼ陰性
- LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)陽性
- 6.5%NaCl加ブイヨンでの発育陰性
などです。
さらに、血液寒天培地でのコロニー周囲の溶血性の違いで、
- α溶血性レンサ球菌
- β溶血性レンサ球菌
そして溶血が認められない
- γ溶血性レンサ球菌
に分けられます。
引用:Wikipedia 化膿レンサ球菌 2020年6月21日
よく見かけるとても分かりやすい培養の写真です。
文字になっているように左からα、β、そしてγです。
余談ですけど、大学のレポートでWikipedia引用すると怒られますよね。
なので学生達は別なサイトをコピペして貼り付けする。
教授が言いたいのはそういうことじゃないと思いますが、大学生あるあるです。
運動性
Streptococcus属は鞭毛がなく、運動性はありません。
レンサ球菌で運動性がある菌で重要なのは、Enterococcus属のE. casseliflavusとE. gallinarumでしょうか。
カタラーゼ
肝臓に多く含まれるので、学生の実習で肝臓片をオキシドール(過酸化水素)に入れて気泡(酸素)が発生するのを確認したあれです。
グラム陽性球菌においてカタラーゼテストを用いることで、
- 陽性→Staphylococcus属などのブドウ球菌
- 陰性→Streptococcus属などのレンサ球菌
と鑑別することができます。
ただし、気を付けないといけないのがAerococcus属です。
Aerococcus属はグラム染色でブドウ球菌様ですが、培養すると血液寒天培地でαレンサ球菌様コロニーを形成します。
Aerococcus属はカタラーゼ陰性です。
LAP
LAPは、ペプチド末端からロイシンを切断する酵素です。
説明的に言うと、ペプチドというアミノ酸の塊からアミノ酸の一種であるロイシンを選択的に取り除く酵素ということですね。
- Streptococcus属とEnterococcus属はともに陽性
- Aerococcus属は菌種による
因みに微生物の鑑別以外に、ヒトの血液検査の項目の一つでもあります。
胆汁がうっ滞すると血中に漏出し、LAP高値となります。
ですので、胆石症や胆管癌、肝硬変など胆汁うっ滞の生じる疾患の有無を広く確認することができます。
6.5%NaCl加ブイヨン
グラム陽性のレンサ球菌で、
- Streptococcus属は発育しない
- Enterococcus属は発育する
となります。
6.5%NaCl加ブイヨンにStaphyroccoccus属とAerococcus属は発育します。
Lancefield分類
レンサ球菌はLancefieldによって研究されました。
彼はC多糖体をもっているものを溶連菌群、もたないものを緑連菌群と分類しました。
そして現在、溶連菌群はC多糖体の免疫学的特異性によって、AからZ(IとJなし)の群に分類されています。
これがLancefield分類です。
この中でヒトの疾患に特に関係があるのがA、B、C、FそしてG群です。
当院では、ラテックス凝集反応でA群、B群、C群、G群そしてABCG以外の5つに分類しています。
その後、必要に応じて菌種の同定を行っています。
終わりに
菌種名までいこうと思っていたのですが、長くなってきたので区切ります!
今回は、β溶連菌が含まれるStreptococcus属の特徴についてまとめました。
次回は、具体的なβ溶連菌の菌種と鑑別についてやりましょう!
では、お疲れさまでした!