医世界で学ぶ微生物

臨床検査技師が感染症を勉強するブログ

 【ブドウ球菌の代表】Staphylococcus aureus①(イタリック体で)

タイトルの菌名なんですけど、イタリック体で表記できませんでした。

菌名はイタリック体にするルールがあるのですが、この字体だとタイトルの時点でこのブログはそもそも菌名すら正確に記載できていないから読む価値なし!とされてしまいそうで悔しいので余計な言葉つけてしまいました。

軽く検索してもイタリック体に変更する方法が見つけられないので、暇なときにタイトルの設定を検索して直しておきたいと思います。

 

では、今回は Staphylococcus aureusについてやります。

この菌は黄色ブドウ球菌

おそらくほとんどの人が細菌の一番最初に勉強する菌ですね。

グラム陽性球菌であり、カタラーゼ陽性、コアグラーゼ陽性。

 

と、やっていきたい気もするのですが、このまま各論的に書いていっても皆さんが読まれるであろう教科書以上のものはきっと書けません。

なので、もういきなり過去問やりながら補足的に勉強していきたいと思います。

 問題に出るところが特に抑えるべきポイントですもんね!

 

目次

 

国試

第65回(2019年)臨床検査技師国家試験

 

問題77 

Staphylococcus aureusのメチシリン耐性の判定に用いるのはどれか.
  1. ペニシリンG
  2. オキサシリン
  3. セファゾリン
  4. バンコマイシン
  5. テイコプラニ

 

引用:矢富裕、他(2019)『検査と技術 vol.47 no.6』医学書院(732)

 

基本かつ重要で、さらにその後職場での実践へと繋がる知識を問う問題。

さすが国試ですいい問題出しますね~。

今でこそ一目で分かりますが、学生の頃僕は微生物が一番苦手でした。

当時この問題が出たらカタカナばかりの薬剤名で嫌になっていたかもしれません。

Staphylococcus aureusのメチシリン耐性の判定」

つまり、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌,methicillin-resistant Staphylococcus aureus)の判定基準を理解していますか、という問題。

MRSAの判定基準は液体微量希釈法で下記の両方または片方を満たす、です。

 

オキサシリン(MPIPC) MIC値≧4㎍/mL

セフォキシチン(CFX)    MIC値≧8㎍/mL

 

よって答えは2。

それと上記の判定基準は、CNSの中で唯一S. lugdunensisのMRCNS判定にも用いられます。

それ以外のMRCNS判定基準は、MPIPCのMIC値≧0.5㎍/mLです。

また、MRSAの判定基準を満たした場合はペニシリンG(PCG)やセファゾリン(CEZ)などのβラクタム系薬を、それらのMIC値に関わらず全て耐性(R)と判定します。

そしてMRSA感染症の治療には、バンコマイシン(VCM)やテイコプラニン(TEIC)などの抗MRSA薬が選択されます。

 

二級資格試験

平成25年(2013年)第100回二級臨床検査士資格認定試験

 

13. Staphylococcus属およびMicrococcus属の性状の組合せで正しいのはどれか。

  1. S. aureus            ―    DNase産生
  2. S. epidermidis    ―    卵黄反応陽性
  3. S. intermedius    ―    VP反応陽性
  4. S. saprophyticus            ―   ノボビオシン感性
  5. M. luteus                       ―   リゾスタフィン感性

 

 引用:高木康、他(2014)『検査と技術 Vol.42 no.4』医学書院(380)

 

これは回答するだけならさして問題はないのですが、選択肢全てに触れるとなると国試より明らかに細かいですね。調べながらです。

まず回答は1です。

 

DNase

メジャーなDNase産生菌、以下のものを覚えておきましょう。

 

  • Staphylococcus aureus

  • Staphylococcus pyogenes

  • Moraxella(Branhamella) catarrhalis

  • Stenotrophomonas maltophilia

  • Aeromonas hydrophila

  • Serratia marcescens

  • Elizabethkingia meningoseptica

 

DNaseとは核酸分解酵素

これがブドウ球菌におけるS. aureusの鑑別に用いられるのですが、CNSの中にはDNaseを産生するものもいるようです。

S. aureusに特異的とされるのは耐熱性のDNaseとなります。

 

卵黄反応

卵黄反応陽性はS. aureusの特徴、S. epidermidisなどのCNSは卵黄反応陰性。

卵黄反応は卵黄培地でコロニー周囲が乳白色に混濁する現象。

これはレシトビテリン(LV)反応と呼ばれています。

LV反応はレシチナーゼまたはホスホリパーゼという酵素によるようですが、

 

ブドウ球菌の卵黄培地上の反応はレシチナーゼではなく, リパーゼによるものと言われており, そのためブドウ球菌の場合にはレシチナーゼ試験と呼ばず, 卵黄反応と呼ぶのが一般的です。

 

引用:JARAM臨床微生物迅速診断研究会HP 質問箱

 

このように同じ反応でも酵素の違いによってさらに呼び方が変わるみたいですね。

Clostridium perfringensによるLV反応はレシチナーゼ反応です。

そして、この卵黄反応がコアグラーゼ反応と良好に相関することからコアグラーゼ陽性菌の鑑別に用いられるようです。

ここで気をつけなければいけないのは、

コアグラーゼ陽性=黄色ブドウ球菌ではない

ということです。

さらにコアグラーゼには直接コアグラーゼ(クランピングファクター)と間接コアグラーゼがあります。

S. aureusはどちらも陽性ですが、他に陽性となる菌をそれぞれ一つずつ覚えておきましょう。

 

 

ここであれ?って思いませんか?

直接コアグラーゼ陽性なのにS. lugdunensisはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌に分類されてるんですよ。

どうやらCNSは間接コアグラーゼをもとに分類されているようですね。

そして、S. lugdunensisは先に記述したようにMRCNSの判定基準も、直接コアグラーゼも他のCNSとは違うのです。

問題にしやすそうな菌ですね。

 

VP反応

VP反応は腸内細菌科細菌などグラム陰性桿菌の鑑別で見る試験ですが、ブドウ球菌でも使うんですね。

これに関してはごめんなさい。わかりませんでした。

教科書4冊見ても載っておらず、Google先生に聞いてみてもなかなか出てこず...。

知見お持ちの先生方いらっしゃいましたらご教授お願い致します。

または記載している文献等に出会ったら追記したいと思います。

 

 5/31追記

主要Staphylococcusのうち、VP(-)なのはS. hyicusS. intermediusでした。

S. aureusS. epidermidisなどはVP(+)です。

 

ノボビオシン

次に、ノボビオシンは抗菌薬です。

ブドウ球菌に有効なのですが、腐生種群には効きません。

その腐生種群の代表的なものがS. saprophyticusです。

この菌の特徴は以下の通り。

 

Sexual Activityが高い女性の単純性尿路感染として大腸菌に次ぐ頻度を持つ反面,男性の尿路感染としては比較的稀と言われている.

 

引用:グラム染色:Gram stain HP

 

上記サイトはマイナーな菌種も含めグラム染色像の写真付きで解説してくれていますのでとても勉強になります。リンク張っちゃいます。

gram-stain.com

 

リゾスタフィン

最後に、リゾスタフィンについて。

これは50㎍/mLにおいて、

  • Stapphyloccoccus aureusは感性
  • CNSは多くが耐性
  • Micrococcus属は耐性

 のようです。 

リゾスタフィンは黄色ブドウ球菌特異的溶菌酵素とも呼ばれるようです。

 

終わりに

えー、長くなりましたね。

認定試験もやるのですが、長すぎて読み直した時に自分でも集中力途切れるので記事を分けたいと思います。

ブログってどれくらいの情報量が効率いいんでしょうね。

とりあえず、今回はここまで。

 

お疲れさまでした!