こんにちは!
2月からずっと自粛していましたが、世間的にも、職場的にも段階的自粛解除の通達がありましたので、ついに外で友人とご飯を食べました!
外でといってもお店でということではなく、山の民らしく屋外でです。
本当はお酒を飲んでキャンプ1泊したい気分だったのですが、久しぶりだからといって羽目を外さないようほどほどに帰宅しました。
4か月ぶりの友人達はみんな元気そうで何よりでした。
そしてやっぱり自然はいいですね!
リフレッシュします。
さて今回は、過去問題とリケッチア症の検査ワイルフェリックス反応についてやりたいと思います。
目次
二級資格試験
平成24年(2012年)第99回二級臨床検査士資格認定試験
48. 病原体と感染症について正しい組合せはどれか。2つ選べ。
- Coxiella burnetti ー Q熱
- Richettsia japonica ー 腺熱
- Richettsia prowazekii ー ロッキー山紅斑熱
- Rihettsia rickettsii ー 日本紅斑熱
- Richettsia typhi ー 発疹熱
引用:高木康、他(2013)『検査と技術 Vol.41 no.4』医学書院(321)
病原体とそれにより起こる疾患名を知っているかを問う問題です。
リケッチアは細かい性状はあまり聞かれないようです。
各医療機関で培養して菌を検出することはありませんもんね。
正しくは、
- Richettsia prowazekii → 発疹チフス
- Richettsia typhi → 発疹熱
- Rihettsia rickettsii → ロッキー山紅斑熱
- Richettsia japonica → 日本紅斑熱
- Coxiella burnetti → Q熱
- Neorichettsia sennetsu → 腺熱リケッチア
答えは1と5です。
紛らわしいのはRichettsia typhiが発疹チフスではないというところです。
あとはリケッチ―がロッキー、ジャポニカは日本、ネオリケッチアセンネツはまんま腺熱なので割と覚えやすいですね。
ワイルフェリックス反応
リケッチアとProteus vulgalisのある種の菌株には共通抗原があります。
そのためリケッチア症患者血清とProteus vulgalisを反応させると凝集反応が起きます。
これをワイルフェリックス反応といいます。
リケッチアは人工培地で発育させることが不可能なため、代わりにProteus vulgalisを抗原としてスクリーニングできることは大きな発見だったのでしょうね。
ドイツの医師Weilさんとプラハの細菌学者Felixさんの名前を取ってワイルフェリックス反応と名付けられたそうです。
この反応では、Proteus vulgalisのどの菌株と反応するかで疾患のスクリーニングができます。
菌株と疾患の組合せは以下の通り。
ワイルフェリックス反応はあくまで上記疾患のスクリーニングであって、Q熱やエールリキアなどのリケッチア症は陰性となります。
取り上げておいてなんですが、現在はPCRや蛍光抗体法によるIgM、IgGのペア血清抗体価が用いられていますのでワイルフェリックス反応はあまり行われていないようです。
ただし、例えば日本紅斑熱はこのワイルフェリックス反応によって発見できたという経緯もありますので、スクリーニング検査法の知識としていまなお重要かもしれませんね。
終わりに
はい、リケッチアでしたー。
リケッチといえば、偏性細胞内寄生菌で人工培地に発育不可能です。
同じく偏性細胞内寄生菌、人工培地発育不可能なものにはクラミジアがあります。
逆に人工培地発育可能なもので整理したいのはマイコプラズマやレジオネラです。
また、ワイルフェリックス反応の他に整理したい菌体と血清の凝集反応は、腸チフスやパラチフスの診断に用いられるウィダール反応です。
記事数少なくまだまだ各菌種毎にたくさんまとめたいですが、このような混同しやすいもののまとめもいつかしたいと思います。
では、お疲れ様でした!