SAWASAN-BLOG

医療従事者の「知識整理」と「気まま雑記」ブログ

【新型コロナウイルス】検体の感染リスクが知りたい【SARS-CoV-2】

こんにちは!

またまた緊急事態宣言の発令となってしまいました。

僕は地方病院の勤務なのですが、それでも今はもう新型コロナ陽性者のPCRをするのが当たり前な日々になってしまっています。

COVID-19患者も入院していますので、採血や尿などPCR以外の検体もたくさん検査室に提出されます。

そこで検体の感染リスクについてもう一度確認してみたいと思います。

 

目次

 

検体の種類

まずはCOVID-19関連で採取される検体の種類を見ていきます。

COVID-19診断のための検査、即ち病原体の検出には、

が用いられています。

それらの検査に用いる検体は、

  • 喀痰
  • 咽頭(鼻腔)拭い液
  • 唾液

の3種類が推奨されています。

これら検査と検体の組合せの関係は以下の通りです。

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引用:新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 4.2 版(厚生労働省

また、一般的には用いられませんが、病原体の検出自体は他に

  • 血液
  • 尿
  • 便

などの検体からも可能とされています。

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引用:2019-nCoV (新型コロナウイルス)感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアル
〜2021/03/19 更新版〜(厚生労働省

 

検体の感染性

気になるのは、COVID-19患者の検体を取り扱う医療従事者、またはSARS-CoV-2感染者の介護者や同居家族などが前述の検体から感染するのかですよね。

まず、PCR検査の検体である咽頭拭い液や喀痰は感染性があると思われます。

では、COVID-19患者の状態を調べるために採取される血液や尿などはどうなのでしょう。

ここでまず確認して置きたいことがCOVID-19診療の手引きに書いてあります。

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引用:新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 4.2 版(厚生労働省

それは、上記の通り

「病原体遺伝子が検出されることと感染性があることは同義ではない」

ということです。

つまり、PCRで陽性であってもそこに感染性を持った(生きた)ウイルスがいるかどうかは別だということですね。

そして、手引きには

「血液、尿、便から感染性のあるSARS-CoV-2が検出されることはまれである。」

とあります。

血液や尿においては、PCRで遺伝子の検出はできるが、それら検体から分離(生きたウイルスの培養)はほとんどできないということでしょうね。

 

さらに、この「まれ」というのがどの程度なのかデータがないか検索してみました。

ヒトが感染した際に新型コロナウイルスが血液中に検出されるかどうか、つまり「ウイルス血症になりやすいかどうか」ですが、205人の新型コロナ患者から採取された307の血液検体から新型コロナウイルスが検出されたのは3検体(1%)のみだった、という報告があります。 

 

引用:蚊は新型コロナを媒介するのか?(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

上記は中国で2020年始めに採取された検体でのデータです。

PCRの結果血液検体からウイルスが検出されたのは1%のみであったとされています。

ということは、言及はされていませんがこのうちウイルス分離ができる、即ち感染性があるのはそれ以下の割合かと思います。

しっかりと標準予防策に感染経路別予防策を取って対処すれば過度に恐れることはなさそうですね。

 

最後に

もう新型コロナ対応を始めてから一年以上が経過しました。

始めの頃は細かく新しい知見が出ていないか調べて勉強していましたが、途中からは業務に追われなかなか細かい所を突き詰められていませんでした。

できればたまに時間を取って、今回の様に知識の振り返りや確認をしたいと思います。

では、また!