こんにちは!
今、世界中で人々が営みを再開しようとしています。
しかし、今回ウイルスから受けた人類のダメージは大きく、その傷はこれまで根付いてきた感情的な他の古傷を巻き込んで、あちこちで悲鳴を上げるように連鎖して暗い事件が続いてしまっています。
暴動や差別など、ニュースを見ていても心痛むものを目にしてしまいますが、前向きな気持ちになれるようチャールズ・チャップリン(1889~1977)の名言を載せておきます。
人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ。
うーん、チャップリン!
チャップリンは言うまでもなく世界の喜劇王であり、彼は第二次世界大戦の前後の時代に世界中の人を励まし、平和を訴えました。
彼はまたこう言います。
このひどい世の中、永遠のものなんてないのさ。
我々のトラブルさえね。
励まされますね!
彼の絶大な人気が示すように、みんな本当は平和を望んでいるんです。
いやー。
何のブログでしょうか、微生物検査の話より長く書き続けてしまいそうです。
前置きが長くなりましたが勉強しましょう!
血液培養の適正性の指標
陽性率
血液培養の陽性率は、
陽性「セット数」÷総セット数=陽性率
で算出されます。
陽性率が極端に低い、または高い場合は適切なタイミングで採取されていないとされます。
American Society for Microbiology(ASM)のガイドライン(CUMITCH)では、血液培養の陽性率が5%以下か、逆に15%以上の場合には原因を検索する必要があると指摘しているようです。
1000patient-daysあたりの血液培養採取セット数
在院の人数あたりの血液培養セット数を見る方法です。
各年度の全採取セット数÷在院患者延べ数×1000
=1000patient-daysあたりの血液培養数
CUMITECHでは103~188の間を推奨しています。
私の働いている病院では全然届いていませんでした。
唯一達成しているのが、入院時検査のように血液培養を採取している小児科だけでした。
ただこれ眼科や産婦人科などは比較的低い値になりますので、各病院の特色を踏まえた上で評価すべきかもしれませんね。
汚染率
血液培養の汚染率を算出する統一した方法はありません。
検出した菌が真の原因菌なのか、または汚染菌なのかを区別する統一した判断基準がないからです。
つまり、汚染かどうかは患者の背景や臨床的な経過を考慮した上で、各医療機関で基準を設けて判定するしかありません。
そしてその経時的変化を追っていくしかないのです。
因みに、米国における血液培養の汚染率は標準的には2~3%との報告があります。
複数セット採取率
血液培養を複数セット採取することで、1セット採取よりも感度が上がります。
また、検出菌が病原菌なのかコンタミネーションなのかを判断し易くります。
したがって、患者一人当たりの血液培養の採取セット数を算出することも精度管理として重要です。
(合計採取セット数ー合計SBCセット数)÷合計採取セット数×100=血液培養の複数採取セット率
SBC:同一患者から24時間以内に1セットのみ血液培養が採取されている場合
2007~2009年日本の血液培養実施状況
参考文献:大曲貴夫 他. 2011. 日本の病院における血液培養採取状況および陽性率の実態調査-パイロットスタディ-.第22回日本臨床微生物学会総会,2011年1月(岡山).
上記研究にて日本の血液培養の実施状況が報告されていますので、2009年集計の中央値のみ紹介します。
ベッド数:852.5床
1000patient-daysあたりの血液培養数:25.2セット
陽性率:13.9%
汚染率:1.8%
複数セット採取率:67.2%
終わりに
はい、3回にわたって血液培養やりました!
血液培養で検出される実際の菌についてもいつかやりたいですね。
またはその辺を過去問使って補えたらと思います。
では、お疲れさまでした!