医世界で学ぶ微生物

臨床検査技師が感染症を勉強するブログ

【ゼロプロジェクト】風疹

風疹は2013年と2018年に流行がありました。

その患者の中心は成人男性です。

この背景には予防接種率が低い世代がいることと、その世代において抗体保有率に男女差があることがあります。

今なお風疹流行のリスクが絶えない一方で、風疹はワクチンが存在するので発生をなくすことが期待できる疾患であり、日本産婦人科学会が中心となり、「"風疹ゼロ"プロジェクト」が立ち上げられています。

 

今回はそんな風疹について、これまでの勉強の知識に加え、臨床と微生物 vol.46 No.6(近代出版、17~22)の 『風疹 基礎と疫学:森嘉生 国立感染症研究所ウイルス第三部』を読んで勉強させて頂いたことをまとめていきます。

 

目次

 

風疹ウイルス

MatonaviridaeRuvivirus属に分類される唯一のRNAウイルスです。

また、エンベロープを有するためアルコール消毒が有効です。

感染症法では5類の全数把握疾患に分類され、直ちに届け出が必要です。

血清型は単一(遺伝子型は13種)であり、なんと1960~1970年のワクチン株が現在も有効なんだそうです。

これが風疹ゼロを期待できる理由なんですね。

ワクチンは弱毒生ワクチンですので妊婦への接種は禁忌です。

2006年に麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)が定期接種として導入されており、1歳と小学校入学前年度の5歳との二回接種が行われています。

 

先天性風疹症候群:CRS

風疹の合併症で最も問題なのは、母から胎盤を通じて胎児へ垂直感染する先天性風疹症候群(congenitial rubella syndrome : CRS)です。

CRSの胎児は眼(白内障緑内障など)や耳(感音性難聴)に障害を持ったり、先天性心疾患(動脈管開存症など)を合併します。

これを防ぐためなのか、昔女子中学生のみをワクチン接種の対象としていたことがあるようです。

これが現在の風疹流行の特徴である風疹ウイルス抗体保有率の世代差と男女差へと繋がるわけですね。

CRSの発生リスクが高いのは妊娠4~5週の極めて早い時期です。

妊婦への風疹感染経路としてはパートナーや職場の同僚などが多いと考えられており、またこの時期には妊婦としての自覚をまだ持っていない方も多かったり、おめでたの場合もあることを考えると、CRSの対策は妊娠を計画する女性だけでは不十分なようですね。

 

疫学

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引用元:NIID 国立感染症研究所HP

 週別風疹ウイルス分離・検出報告数(2012~2019年)と風疹ウイルス分離・検出例の性別年齢分布(2012~2019)です。

また、2012~2013年と2018~2019年の流行における成人割合と、男性割合は以下の通り。

成人割合 2013年88% 2019年96%

男性割合 2013年76% 2019年81%

すでに述べていますが、ほとんどが成人かつ男性であるのが流行の特徴ですね。

 

まとめ

臨床検査技師関連の試験に出そうな点のまとめです。

 

以上です、お疲れさまでした!