医世界で学ぶ微生物

臨床検査技師が感染症を勉強するブログ

【どれを使う?】消毒薬①

新型コロナ、最近毎日ニュースで見ますよね。

その感染対策の一つとして消毒がよく取り上げられていいますが、

 

そもそも消毒とは何か?

消毒は、対象となる微生物がヒトに感染症を起こさない程度にまで数を減らすもの

滅菌は、すべての微生物を殺滅または除去するもの

 

引用元:一山智・田中美智男(2013)『標準臨床検査学 微生物学・臨床微生物学・医動物学』医学書院(31)

 

つまり、消毒においては必ずしも全ての微生物を死滅させる必要はないということですね!

そして消毒はさらに、熱水消毒法や紫外線照射法などの物理的消毒法と、消毒薬による化学的消毒法に分けられます。

今回は、微生物学的観点で消毒薬についてまとめたいと思います。

あ、ついでに英単語もやっておきましょう!

 

消毒:disinfection

滅菌:sterilization

 

目次

 

消毒薬の種類と効果

消毒薬はSpauldingの分類に基づいたCDCガイドラインの消毒の分類で高水準消毒薬、中水準消毒薬、低水準消毒薬に分類されます。

この分類と効果は臨床検査技師国家試験や、認定試験で頻出となっています。

 

 高水準薬(グルタラール、フタラール、過酢酸など)

 厄介な芽胞含めほぼ全ての微生物(細菌・真菌・ウイルス)を駆逐する

 ただし、フタラールはBacillus属の芽胞には効果が弱い

 金属・非金属の医療用器具(内視鏡など)の消毒に用いられる

 ただし、蒸気毒性があるなど人体や環境には使えない

 

中水準消毒薬

次亜塩素酸ナトリウム 

 基本芽胞無理な中水準の中で芽胞含めほぼ全ての微生物に有効とされる

 かつ環境にも使える使い勝手のいいやつ

 ただし腐食性があるため金属器具には使えない、人体もダメ

エタノール

 芽胞とエンベロープ無しのウイルス以外ほぼいける

 環境や金属・非金属器具いける

 手指消毒に用いられるが、粘膜はダメ

③ポピドンヨード

 芽胞には効果が得られないことがあるが他はほぼいける

 着色するので環境や器具には用いられない

 毒性が低く人体には皮膚だけでなく粘膜もいける

④クレゾール石けん

 芽胞とエンベロープ無いウイルス以外はほぼいける

 排泄物の処理に用いられていたらしい

 現在は下水道法の規制であまり用いられていない

 

低水準消毒薬

(第四級アンモニウム塩、両性界面活性剤、クロルヘキシジン)

 基本環境、金属・非金属器具、手指、粘膜に使える。

 有効な微生物は一般細菌と酵母用真菌

 ただし、両性界面活性剤のみ粘膜はダメ、そして抗酸菌にも有効

 

 となっています。消毒薬選択のポイントです。

 

  • 消毒を用いる対象は環境か、器具か、人体か

   →高水準は環境、ヒトダメ

  • 器具であれば金属か、非金属か

   →金属なら次亜塩素酸ナトリウムはダメ

  • ヒトであれば、皮膚か、粘膜か

   →粘膜いけるのはポピドンヨード

  • 消毒したい微生物は芽胞形成菌、抗酸菌、一般細菌、酵母用真菌、糸状菌、ウイルスのどれなのか

   →芽胞であれば有効なのは高水準または次亜塩素酸ナトリウム

   →有るならアルコール効く

 

エンベロープは脂質性の膜でアルコール系消毒薬が有効です。

コロナウイルスエンベロープ有りなのでアルコール系消毒薬は有効ですね。

他にエンベロープ有りのウイルスには、インフルエンザウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルスなどがあります。

一方、エンベロープの無いウイルスはアルコール系消毒薬が効きにくいですが、例外としてロタウイルスアデノウイルスは、消毒抵抗性が比較的弱いと言われています。

 

長くなってきたので、今回はここまでにして、

次回は国試の過去問や認定試験の過去問をやって補足していきましょう!